柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の違いとは?年収・難易度・将来性を徹底解説

医療や健康に関わる仕事に興味があり、「人の体を治す仕事がしたい」「手技を使って患者さんを笑顔にしたい」と考えている10代の皆さん。進路を検討する中で「柔道整復師」と「あん摩マッサージ指圧師」という2つの資格を目にしたことがあるのではないでしょうか。

どちらも体にアプローチする国家資格ですが、実は「なにを目的として施術を行うのか」「手技を行える範囲」「活躍の場」などに大きな違いがあります。

この記事では、柔道整復師を目指す学生の皆さんに向けて、柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の違いを年収・資格難易度・仕事内容・将来性などの観点から分かりやすく徹底解説します!自分に合った医療の道を見つけるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

1. 柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の根本的な違い

まず結論からお伝えすると、2つの資格の最大の根本的な違いは「治療の目的」にあります。

  • 柔道整復師:ケガ(骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷)からの「回復(治療)」を目指す
  • あん摩マッサージ指圧師:体の痛みやこりなどの不調の「緩和(改善・健康増進)」を目指す

具体的にそれぞれの特徴を比較してみましょう。

柔道整復師とは?

一般的に「接骨院の先生」「整骨院の先生」「ほねつぎ」として広く知られている医療技術職の国家資格です。

大学や専門学校などの養成校で基礎医学や柔道整復術を学び、国家試験に合格することで厚生労働大臣免許を取得できます。

主に骨折、脱臼、捻挫(ねんざ)、打撲、挫傷(肉離れ)といった外傷(ケガ)に対し、手術や投薬を行わず、自身の「手技」によって元に戻し(整復)、固定し、回復を促す(後療)「無血療法」を行います。人間が本来持っている自然治癒力を最大限に引き出すプロフェッショナルです。

柔道整復師に関してもっと詳しく知りたい方はこちらで解説しています。

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あん摩マッサージ指圧師とは?

「あん摩」「マッサージ」「指圧」という3つの東洋医学・西洋医学的な手法を駆使し、手や指を用いて体に物理的な刺激を与える国家資格です。

慢性的な肩こりや腰痛、疲労感などの不調に対し、筋肉のこりをほぐして血行を促進し、症状の緩和や体力回復、健康増進を図ります。医師の指示がなくても、自身の判断でマッサージ施術を行えるのが大きな特徴です。

あん摩マッサージ指圧師について詳しくこちらで解説しています

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資格・制度の比較表

柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師、そして街中でよく見かける「整体師」の違いをまとめました。

項目柔道整復師あん摩マッサージ指圧師整体師
資格の分類国家資格(医療非医師)国家資格(医療非医師)民間資格 または 無資格
主な目的急性・亜急性のケガの**「回復・治療」**慢性的な不調やこりの**「緩和・健康増進」**リフレッシュ・姿勢調整等
主な施術内容整復、固定、手技療法、物理療法、運動療法あん摩、マッサージ、指圧(なでる・揉む・押す)独自の整体術(医療行為は不可)
保険適用(骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷等)(医師の同意書がある場合等)×(全額自己負担)
主な施術所の名称接骨院、整骨院、ほねつぎ治療院、マッサージ院整体院、リラクゼーションサロン
独立開業可能可能可能(誰でも開設可)

【ここがポイント!】

街にある「整体院」や「リラクゼーションサロン」で働く整体師は民間資格であり、法律上の「医療行為」や「マッサージ」を行うことは禁じられています。一方、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師は国が認めた国家資格者であり、高い専門性と信頼を備えています。

2. 【年収・給料の違い】どちらが稼げる?

将来の職業を選ぶうえで、やはり気になるのが「年収や給料」ですよね。公的データや各種求人データから、それぞれの収入事情を解説します。

柔道整復師の年収・給料

  • 平均年収:約380万円〜450万円
  • 初任給:月給 22万円〜26万円前後

柔道整復師の収入は、勤務先や役職、歩合給の有無によって幅があります。一般的な接骨院・整骨院に勤務する場合、初任給は23万〜25万円程度が相場です。分院長(店舗の責任者)になると年収500万円〜700万円以上を目指すことも可能です。また、独立開業して地域の信頼を得たり、スポーツトレーナーとしての自費施術展開に成功すれば、年収1,000万円を超えるケースもあります。

あん摩マッサージ指圧師の年収・給料

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」(令和5年賃金構造基本統計調査等を基にしたデータ)によると、あん摩マッサージ指圧師(その他の保健医療従事者分類)のデータは以下の通りです。

  • 平均年収:約430.2万円(月給換算で約30.9万円)
  • ハローワーク求人賃金(月額):全国平均 約27万円〜28万円
  • パート・アルバイト時給:平均 約1,474円

あん摩マッサージ指圧師も、企業内ヘルスキーパー(企業にお勤めのマッサージ師)や訪問マッサージの分野で安定した需要があり、固定給+歩合給という形態が多く採用されています。

年収・給料の比較まとめ

【平均年収の比較イメージ】

■ 柔道整復師          :[380万円] ------------------- [450万円] (独立時:〜1,000万円超)

■ あん摩マッサージ指圧師:[400万円] -------- [430万円] ------ [450万円]

■ 一般労働者の平均給与  :[478万円] (国税庁 令和6年調べ)

両資格とも、勤務勤務(スタート時)の給与水準に劇的な差はありません。しかし、柔道整復師は「保険診療+自費診療を組み合わせた接骨院の開業」や「分院長への昇格」といったキャリアパスが豊富で、個人個人のスキルと経営努力次第で収入を大きく伸ばしやすい夢のある職種と言えます。

3. 【資格取得と難易度の違い】国家試験の合格率は?

次に、それぞれの資格を取得するためのルートや難易度、国家試験の合格率を見ていきましょう。

柔道整復師になるには

文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成校(大学4年間、または専門学校3年間)で、解剖学・生理学・柔道整復学などの専門知識と実技を修得します。その後、年に1回(例年3月上旬)実施される「柔道整復師国家試験」に合格することで免許を取得できます。

  • 修学期間:3年以上(専門学校)または4年(大学)
  • 国家試験の合格率:およそ 60%〜70%台(新卒者の合格率は80%前後と高い傾向)

近年の国家試験は医療知識の高度化に伴い、出題内容が厳格化しています。学校での日々の勉強と試験対策をしっかり行うことが合格へのポイントです。

あん摩マッサージ指圧師になるには

同じく、指定された専門学校・短大・大学(3年以上)で学び、年に1回(例年2月下旬)実施される国家試験を受けます。

  • 修学期間:3年以上
  • 国家試験の合格率:直近(第34回/2026年2月実施)では85.0%(受験者数1,070人/合格者数910人)。例年80%〜85%前後で推移しています。

養成校の「学校数」に注意!

ここで1つ、進路選びで非常に重要なポイントがあります。

実は、あん摩マッサージ指圧師の養成施設は全国に約25校程度しかありません。視覚障害者の職域保護の観点などから設置数が限定されているため、定員が少なく、入学試験の倍率が高くなりやすい傾向があります。

一方、柔道整復師の養成校は全国に多数存在するため、自分の住んでいる地域や学習環境(昼間部・夜間部、専門学校・大学など)に合わせて豊富な選択肢から学校を選びやすいというメリットがあります。

4. 【仕事内容と活躍の場】どのような場所で働く?

資格を取得したあと、具体的にどのような現場で活躍できるのでしょうか。共通する職場も多いですが、得意とする役割が異なります。

柔道整復師の主な活躍の場

  1. 接骨院・整骨院(施術所)最も代表的な職場です。急性外傷の施術はもちろん、自費施術として猫背矯正や骨盤矯正、パーソナルケアなどを行う院も増えています。
  2. 整形外科・病院・クリニック医師の指導のもと、レントゲン撮影後のギプス固定や包帯交換、リハビリテーション業務(運動療法・物理療法)を担当します。
  3. スポーツ現場(スポーツトレーナー)アスリートのテーピング、試合中のケガの応急処置、コンディショニング、リハビリをサポートします。柔道整復師の「外傷対応力」はスポーツ現場で大いに重宝されます。
  4. 介護・福祉施設(機能訓練指導員)柔道整復師の資格を持っていると、自動的に「機能訓練指導員」としての任用資格が得られます。デイサービスや特別養護老人ホームで、高齢者の関節可動域訓練や筋力維持リハビリを行います。

あん摩マッサージ指圧師の主な活躍の場

  1. マッサージ治療院・施術所訪問マッサージや店舗型の治療院で、慢性疾患や肩こり、腰痛を持つ患者さんに施術を行います。
  2. 企業(ヘルスキーパー/企業内理療師)大手企業の社内リフレッシュルームなどに勤務し、デスクワークで疲れた社員の健康管理や疲労回復をサポートします。
  3. 介護・福祉施設柔道整復師と同様に「機能訓練指導員」としてリハビリやマッサージを担当します。
  4. リラクゼーション・サロン疲労回復やストレス解消を目的としたボディケア施設で働きます。

5. 【事例】柔道整復師として成功するキャリアストーリー

ここで、柔道整復師の資格を取得し、夢を叶えた2人の先輩の事例(ロールモデル)をご紹介します。

事例①:20代でスポーツチーム専属トレーナーとして活動するAさん

「部活でのケガを救ってくれた先生にあこがれて」

高校時代、サッカー部で足首の重度捻挫をした際、通っていた接骨院の柔道整復師の先生に手技とテーピングで救われ、復帰を果たしたAさん。「自分も選手を支えたい」と柔道整復師の専門学校へ進学しました。

基礎医学と徒手整復を叩き込み、国家資格を取得。接骨院で外傷施術の経験を積みながら「アスティックトレーナー」の勉強も並行して行いました。現在は地域のアマチュア社会人サッカーチームの専属トレーナーとして遠征に帯同し、試合中の応急処置から復帰までのリハビリを一貫して担当。「A先生がいてくれるから安心してプレーできる」と言われるのが一番のやりがいです。

事例②:30代で地域密着の整骨院を開業し独立したBさん

「自らの手で地域の人々を健康にし、経営者としても成功」

専門学校卒業後、整形外科と大型整骨院で7年間の実務経験を積んだBさん。骨折や脱臼の応急手当から慢性的な痛みの改善アプローチまで幅広く手技を研鑽しました。

その後、地元で自らの整骨院を独立開業。ケガの保険診療だけでなく、患者さん一人ひとりの姿勢分析に基づく自費施術やトレーナー経験を活かした運動指導を導入しました。口コミで評判が広がり、現在では月商数百万を誇る人気院に成長。「手技1つで人々を元気にでき、自分の頑張りがそのまま成果になる最高の仕事です」と語ります。

6. 柔道整復師を目指す人へ!成功するための具体的テクニック

柔道整復師として第一線で活躍し、長く患者さんから信頼されるためには、学生時代からどのような準備や意識を持っておくべきでしょうか。現場で役立つ3つの具体的テクニック・ノウハウをお伝えします。

テクニック1:問診・視診・触診の「診察力(評価)」を極める

柔道整復師の施術は、正確な「評価(診察)」から始まります。

【柔道整復師の評価のステップ】

STEP 01: 問診(いつ、どこで、どのように負傷したかを丁寧にヒアリング)

STEP 02: 視診(患者の姿勢、歩き方、患部の腫れや変形を目で観察)

STEP 03: 触診(患部に直接手を触れ、熱感、圧痛、脈拍、骨の異常を確認)

レントゲンを使えない接骨院において、頼りになるのは自分の「目」と「手」の感覚です。解剖学・生理学の知識を頭に叩き込み、臨床実習や日々の勉強の中で「正常な状態と異常な状態の手触りの違い」を感じ取る感覚を磨きましょう。

テクニック2:「ダブルライセンス」や「プラス資格」で強みを作る

将来のキャリアを広げるために、柔道整復師の資格に加えて相乗効果のある資格・スキルを掛け合わせることが非常に有効です。

  • 柔道整復師 × 鍼灸師(はり師・きゅう師):外傷ケアに加え、東洋医学的なアプローチで自律神経や内臓の不調にも対応可能に。
  • 柔道整復師 × アスレティックトレーナー(JSPO-AT)/ パーソナルトレーナー(NSCAなど):スポーツ現場やフィットネス業界でのスカウト率が大幅アップ。
  • 柔道整復師 × ケアマネジャー(介護支援専門員):高齢化社会において、介護・リハビリのスペシャリストとして高収入・重宝される存在に。

テクニック3:圧倒的な「コミュニケーション能力」を身につける

患者さんは体に強い痛みや不安を抱えて来院します。どれだけ優れた手技技術を持っていても、患者さんの気持ちに寄り添えなければ信頼関係は築けません。

  • 専門用語を平易な言葉に噛み砕いて説明する力
  • 相手の痛みに共感し、聞き上手に徹する態度
  • 明るく元気に患者さんを元気づける接客力

これらは一朝一夕では身につきません。学生時代からアルバイトや接客、学校でのロールプレイングを通じて、人と話す力を意識して磨いておきましょう。

7. 柔道整復師の将来性は?AIに代替されない魅力

「将来、接骨院が増えすぎて飽和するのでは?」「AIやロボットに仕事を奪われない?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、結論から言うと柔道整復師の将来性は非常に明るいと言えます。その理由は以下の4つです。

① 社会的信頼性の高い「国家資格」である

柔道整復師は誰でも名乗れる職業ではなく、3年以上の厳しい専門教育を修了し、国家試験を突破した人だけに与えられるプロフェッショナルな称号です。この信頼性の高さは時代が変わっても揺らぎません。

② 超高齢化社会における需要の増大

日本は世界でもトップクラスの高齢化社会を迎えています。高齢に伴う転倒・骨折の予防や、筋力低下に対するリハビリテーションの需要は年々高まっています。「介護保険制度」のもとで機能訓練指導員として活躍できる柔道整復師の役割は増すばかりです。

③ 予防医療やスポーツ・健康志向の高まり

病気やケガになってから治すだけでなく、「ケガをしにくい体を作る」「パフォーマンスを上げる」という予防医療・スポーツトレーナー領域へのニーズが急増しています。フィットネスクラブやパーソナルトレーニングジムなど、柔道整復師の知識を生かせるフィールドは大きく広がっています。

④ AIやロボットに代替されにくい「手の感覚」と「人間性」

AIはデータ分析が得意ですが、患者さん一人ひとりの体型、筋肉の硬さ、その日の痛みの感じ方に合わせて絶妙な力加減で手技を施す「職人技のような手触り」を再現することはできません。また、心に寄り添うカウンセリングや手当てによる安心感の提供は、人間だからこそできる技術です。

まとめ:自分の目指したい未来に合わせて資格を選ぼう!

柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の違いについて、様々な角度から解説してきました。

  • 柔道整復師は、ケガの手術をしない「無血療法」のプロ。接骨院の開業、病院でのリハビリ、スポーツトレーナー、介護分野など幅広く活躍したい人、「人のケガを治したい!」という情熱がある人にピッタリの国家資格です。
  • あん摩マッサージ指圧師は、手技で疲労やこりをほぐす「緩和・ケア」のプロ。慢性的な不調に悩む患者さんを自分の手1つで癒やしたい人や、企業内ヘルスキーパー、訪問マッサージなどを目指したい人に向いています。

どちらも患者さんの体を健康に導き、「ありがとう」と直接感謝される非常にやりがいのある素晴らしい職業です。

柔道整復師を目指したいと思った方は、まずはオープンキャンパスなどに参加して、体験授業で実際の「手技」や「包帯・固定」に触れてみましょう。パンフレットを取り寄せて、自分に合った学校(専門学校や大学)を見つけることから、あなたの夢への第一歩を踏み出してみてください!

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